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My Hakone Time by 天悠

芦ノ湖から小田原までの山下り 駅伝6区をたどって箱根を10倍楽しむ方法
箱根の冬の風物詩、駅伝。

東京・大手町から箱根・芦ノ湖を往復するレースは、
それぞれのエリアの魅力に彩られ、ドラマや勝敗が繰り広げられます。
特に、注目したいのは、復路のスタート、箱根の山下りの6区。
このコースをたどりながら箱根の魅力を味わってみませんか?
今回は、WEBメディア「EKIDEN NEWS」を主宰する
西本武司さんが山下りコースをたどりました。

今年の中継の最高視聴率は箱根~小田原間という事実を知る。

今年の中継の最高視聴率は箱根~小田原間という事実を知る。

正月の学生駅伝のテレビ中継、瞬間最高視聴率がどこか知っていますか?  2018年はなんと、 3日朝9時の復路。 芦ノ湖・小田原間の6区で、5位の東海大を6位・拓大が追うシーンと、7位の城西大を8位の帝京大が抜いて順位が入れ替わったシーンだったそうです。みなさん、観てました? 僕は観てませんでした。なぜなら、その時間は小田原中継所で腹ばいになってカメラを構え、彼らの襷渡しの瞬間を待ち構えていたからです。

 

これまでなんとなく、瞬間最高視聴率というのは、往路5区芦ノ湖でのゴール、もしくは9区鶴見中継所での繰り上げスタートや10区大手町のゴールなど、ドラマがある場所か、勝敗を決する瞬間だと思っていただけに、「3日の復路、朝9時」であったことにとても興味を覚えるとともに、「そうだよなぁ」と納得もしました。もし復路6区を現地で観ようと思ったら、箱根や小田原などに宿泊するしか手立てがないのです。しかもこの日の宿はどこも満室。つまり、現地ではなかなか観れないからこそ、テレビの視聴率が良いのだと。

 

そして、1月3日の復路スタートから2週間後の朝7時。僕は芦ノ湖の復路スタート地点にいました。実際のレースとほぼ同じ気象条件のもと、誰もいない箱根の山下りのコースをたどってみたかったからです。

箱根を包み込む朝の光のドラマティックな演出を見る。

箱根を包み込む朝の光のドラマティックな演出を見る。

日の出直後の朝7時、路面はまだ凍っています。「カツーンカツーン」とシューズが凍った路面を叩く音を響かせながら、選手はスタート前のアップを続けるのです。7時45分。箱根関所南交差点の向こうに太陽がのぼりはじめ、これから山下りに出発する選手を照らすスポットライトのような強い光が、芦ノ湖周辺をつつみこみます。この朝日が箱根を照らす朝8時から9時というマジックアワーこそが、瞬間最大視聴率の秘密ではないか? と僕は思っているのです。それほどに、本当に美しい朝の光でした。

 

復路スタートの8時になり、僕も芦ノ湖を出発。元箱根の交差点を右折したら、まずは上りです。4km過ぎの精進池はカッチカチに凍っていて、強い追い風が吹いてくるから、体感温度はかなり低い。いつも追い風が吹いているせいなのか、周囲の木々も風向きのまま傾いて成長しているのが印象的です。

 

国道1号最高地点(874m)を越え、8時14分に5km地点の芦之湯を通過すると、そこから山を下り始めます。コースには、舞台装置のように横から朝日の光が差し込み、その景色に胸が踊りました。

箱根を包み込む朝の光のドラマティックな演出を見る。
観戦のポイントである箱根の山に刻まれたカーブを巡る。

観戦のポイントである箱根の山に刻まれたカーブを巡る。

ところで、この駅伝の「現地観戦のコツ」があるとしたら、それはカーブで観ること。直線だとあっという間に目の前を駆け抜けていく選手も、向こうからやってきてカーブを曲がって行ってしまうまでの間、観ることができるからです。オススメなカーブをご紹介していきましょう。

 

まずは7km地点手前の笛塚にあるヘアピンカーブ。きれいな木漏れ日の中、駆け下りてくる選手が最短コースを攻めていく姿を観戦できるスポット。笛塚バス停から200mほど歩くとたどり着けます。

 

7.9km地点の啓明学園前では2つのカーブを一望。日差しがあたらないのがちょっと残念ですが、ガードレールすれすれにインコースを攻めてくる選手のスピードを堪能できます。

 

8時26分に通過する9km地点の小涌園前。ここは、遠くから直線を下ってきた選手がカーブを曲がりきるまでじっくり「一番長い時間選手を応援できる」ポイントかもしれません。

 

8時36分、宮ノ下は街並みも賑やか。「宮ノ下スタイル」と呼ばれる選手名をコールする大声援が飛ぶのは、このスポットです。

 

中継でもおなじみ大平台のヘアピンカーブは、カーブ全体に太陽の光が降り注ぐ絶景。標高も下がって気温が上がり、太陽に照らされて身体も暖まったところで、選手はギアをさらに入れます。ここからはつづら折りのカーブがたくさん続きます。特に、塔ノ沢駅の手前15.5km地点は、2011年に早稲田大の選手が滑って転ぶもすぐに立ち上がってトップをキープし、毎年の中継のオープニング映像にも欠かせないシーンとなった名カーブです。カーブの谷側に「ローリング族禁止」と書かれた横断幕が目印。

山下りの終わりには、小田原中継所で名物弁当に舌鼓を打つ。

山下りの終わりには、小田原中継所で名物弁当に舌鼓を打つ。

そうやって山を駆け下りてきた選手たちを、テレビ中継ではクレーンカメラでダイナミックにとらえているスポットが、函嶺洞門バイパス。ここまでは箱根湯本から歩いてもそう遠くないため、毎年テレビに映りたい観戦客たちで大賑わいです。それまでは神々しさも漂っていた、箱根の山下り劇場もここで終了。選手は箱根湯本の駅前商店街を抜け小田原中継所まで、直線を一気に走ります。

 

ちなみに、記事中に記した選手通過予想時間は6区の区間記録を参考にしています。もし来年は箱根で駅伝を観戦したいと思うならば、少なくとも、その時間の30分前には現地に到着しておきたいところ。そして、選手が通り過ぎたら、ゆっくり時間をかけて山を下りましょう。そして、小田原中継所でもある、風祭駅直結の鈴廣かまぼこ本店へ。そして、この風祭本店でしか買えない「金目鯛の炙りめし」を食したい! 900円とは思えぬ、金目鯛のボリュームに満足すること間違いなしです。

 

ちなみに小田原中継所通過予定時間は8時58分。鈴廣かまぼこ本店は駅伝当日も朝9時に開店。6区をたどってここまで山を下ってきたこの日ももちろん、沿道のテラスであの日の小田原中継所に思いを馳せながら、テラスで朝日を浴びながらお弁当を食べたのでした。

山下りの終わりには、小田原中継所で名物弁当に舌鼓を打つ。
西本 武司さん

9年前から走り始め、市民ランナーとして走るうちに駅伝選手たちへの興味が膨らみ、駅伝を愛好する仲間たちとWEBメディア「EKIDEN NEWS」を立ち上げる。 読者には“公園橋博士”の名前で知られ、駅伝や陸上長距離をどこよりも細かく追いかけるほか、「TOKYO FREE 10」「オトナのタイムトライアル」など新しいレースを企画。観戦する楽しみ、走る楽しみの両面から長距離の魅力を伝えている。もう一つの顔は、コミュニティーFM「渋谷のラジオ」制作部長。

 

 
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今回の駅伝をたどる旅のゴール、小田原・鈴廣かまぼこで、箱根の旅のおいしい想い出づくりはいかが? 鈴廣かまぼこの里内にあり、鈴廣かまぼこ本店に隣接する「鈴廣のかまぼこ博物館」では、お土産としても大人気の鈴廣のかまぼことちくわの手づくり体験に挑戦できます。

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詳細はこちらでご確認ください。

http://www.ten-yu.com/activity_suzuhiro.html

※すべての情報は2018年1月31日時点のものです

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