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My Hakone Time by 天悠

伊藤まさこさんの冬旅 雪と箱根と温泉と。〈前編〉
小さなバッグで一泊二日のひとり旅へ。

その審美眼で選ぶ暮らしまわりの素敵なアイテムが

女性たちから支持を集める、スタイリストの伊藤まさこさん。

旅のあれこれを書き留めたエッセイの数々も人気です。

今回は、「箱根小涌園 天悠」に一泊した冬の箱根ひとり旅の様子を綴っていただきました。

読んだあと旅心を誘われたら、今度のプレミアムフライデーに、

ふらりとひとり旅、いかがですか?

 

>>後編はこちらから<<

「なにもしない」を味わいに箱根へ。

「なにもしない」を味わいに箱根へ。

ちょっと予定が空いた日、箱根でも行こうかな? そんな気持ちになります。温泉があって、自然が近くて、街全体がなんだかのんびりしていて。何より私の住む街から車で2時間かかるかかからないかという近さ。この街に友人が住んでいることも手伝って、いつも行くのはたいていひとりで。車を運転するうちに、まわりの景色が広がってだんだんと富士山が近くなってくる。ただそれだけのことなのだけれど、なんなんだろう? この解放感は。

 

さて、今日は久しぶりに温泉一泊ひとり旅。娘が大きくなってから、ひとりで旅に出ることが多くなったけれど、そういえば温泉旅行は初めて。行く前、宿に着いたら、たまった本を読もうか、原稿を書こうかといろいろ迷ったけれど、せっかくならば、なにもしないでひたすらだらだらすることにしました。だから荷物は小さなバッグひとつだけ。さあ、出発……と思っていると、空から雪が降ってきました。

 

そう、この日の関東地方はあいにくの大雪警報。ゆうべ、行こうか行くまいか少し迷ったけれど、そこは根がお気楽な性格。雪の降る箱根で山ごもりなんて、ちょっとおもしろいんじゃない? 久しぶりにロマンスカーに乗ってみようかな。なんて考えていると、だんだんわくわくしてきました。予定外のことを楽しむことこそ旅のおもしろさ、なのです。

車窓の雪を楽しみながら箱根湯本へ。

車窓の雪を楽しみながら箱根湯本へ。

新宿駅からロマンスカーに乗り込み少し走ると、雪がどんどん大ぶりになってきて、窓の外の景色全体にうっすらもやがかかってきました。車を運転するより、景色に集中できるからかな、いつもの箱根旅とはまた違う印象。電車の旅もいいものです。

 

ぼんやりしているうちに、あっという間に箱根湯本駅到着。早めに宿へ、とは思うものの、まずは一息入れましょうとやってきたのは、昔からこの街に馴染んでいるといった風情の喫茶店。ウィンナコーヒーをすすりながら、流れてくる有線のBGMに耳を傾ける。そういえばこんなにのんびりしたのはいつぶりだろう?

車窓の雪を楽しみながら箱根湯本へ。
宿を目指して大雪の箱根をゆく。

宿を目指して大雪の箱根をゆく。

さて、喫茶店を後にし向かった先は箱根湯本の街を流れる川沿いの小道。メインの通りから1本入っただけにもかかわらず、いつもひっそりしているお気に入りの場所。近所のおじいちゃんが散歩したり、小さな子どもを連れたお母さんが鴨を見にやってきたり。観光地といえども人の暮らしがちらりと垣間見られる、そんなところが好きなのです。

 

だんだんと雪も本降りになってきたから、そろそろ今日の宿「天悠」に向かいましょうと駅のタクシー乗り場に行くと、雪のためにバスは運休になっていて長蛇の列になっている! ようやく乗り込むと、運転手さんがとてもいい方で、さりげなくこちらを気遣ってくださる。聞けば箱根もこんな大雪はとても珍しいとか。「でも、きっと温泉からの雪景色はきれいでしょうね」と運転手さん。

 

きっとそう、と私も思う。(>>後編に続く)

伊藤 まさこさん

スタイリスト。1970年、神奈川県横浜市生まれ。文化服装学院でデザインと服作りを学ぶ。料理や雑貨、テーブルまわりのスタイリストとして、数々の女性誌や料理本で活躍。なにげない日常にかわいらしさを見つけ出すセンスと、地に足の着いた丁寧な暮らしぶりが人気を集める。著書に『おいしいってなんだろ?』(幻冬社)『白いシャツを一枚、縫ってみませんか?』(筑摩書房)などがある。

 

http://instagram.com/masakoito29

 

※すべての情報は2018年2月16日時点のものです

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